傷病手当から障害年金へ手続きができるかを知りたいです。

Q:お世話になります。今回相談に乗っていただきたいのは私の娘です。
現在、結婚を期に千葉県に住んでおります。娘は人間関係のトラブルで前職場をうつ状態(適応障害)で退職しました。その折、傷病手当を貰う事になり現在に至っております。
傷病手当から障害年金へ手続きができるかを知りたいです。

A:

送りいただきましたご相談内容を拝読いたしました。

傷病手当金を受給している方が、同一の傷病により障害厚生年金を受けるようになった場合には、傷病手当金の支給額が調整されることとなります。

どのような仕組みで調整されるかについての概略ですが、傷病手当金の日額と障害厚生年金の額(年額)を360で割った額を比較して、障害厚生年金の額が多い場合は、傷病手当金は支給されないこととなります。

一方、傷病手当金の日額が障害厚生年金(年額)を360で割った額よりも多い場合は、傷病手当金と障害厚生年金の差額が傷病手当金として支給されることとなります。

一般的に傷病手当金の支給期間は、支給開始した日から1年6ヶ月とされています。

障害年金は、初診日から1年6ヶ月を経過した日を「障害認定日」とし、この時のお身体の状態について、障害年金の支給基準に該当するか否かを審査した上で、受給可否が決定されます。

したがって、この両者は支給期間が重複しないことが一般的なのですが、例えば、傷病手当金の受給開始が様々な事情で遅くなってしまったなどの場合には、両者の支給期間が重複するケースがでてきます。このような場合に上記の支給調整のルールが発動されることとなります。

お送りいただきましたご相談内容に、「初診日は〇〇」と記載されておりますことから、お嬢様の障害認定日はこの日から1年6ヶ月を経過したとなり、この日を過ぎないと障害年金の支給申請はできないこととなります。

また、お嬢様のご病気が、「適応障害」とされておりますが、適応障害は、医学的な傷病の分類上、「神経症」の領域に分類される傷病となります。

日本年金機構が公開している「障害認定基準」には「神経症の領域に属する傷病は認定の対象とならない」と明記されておりますので、診断名が「適応障害」のままですと、残念ながら、どんなにお身体の状態が悪かったとしても認定の対象となりません。

ただ、この規定には例外規定があり、臨床症状から判断して、精神疾患の病態を示しているものについては統合失調症または気分障害・感情障害として取り扱うとされておりますので、ある意味で診断書の書かれ方次第という面があることは否定できません。

現時点では、まだ障害年金が申請できる時期が到来しておりませんので、当面は傷病手当金の受給を継続し、来年の月以降に障害年金の受給についてご検討される、という形を取られることがベターではないかと存じます。

以上、取り急ぎご回答申し上げますが、さらに詳細なご相談をご希望の場合はご面談の機会をいただきました上で、これまでの治療の経緯や日常生活の状況、就労の状況などにつきまして詳細をお聞かせいただき、受給認定の可能性や今後の進め方などの方向性をお知らせさせていただいております。

ご希望の日程をご提示いただければ、当方の日程と調整しご面談の日時を決めさせていただいております。

この初回のご面談につきましては、原則として料金を頂戴しておりません。

また、面談したからといって当事務所にサポートの依頼をしなければならない、ということもございませんのでご安心ください。

外出が辛い、人混みが辛いなどのご事情がある場合は、お客様のご自宅やご自宅近隣でご都合のよろしい場所での出張相談も承っておりますのでご検討ください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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