発症したのは約9年前です。障害年金の受給は可能ですか?

Q:発症したのは2010年2月28日で、約9年前です。発症時は、右半身不全麻痺で、障害等級は2種6級です。その他、高次脳機能障害(注意障害)があり、最近は考えがうまくまとまりません。また構音障害があり、最近になって、だんだんと言葉が出にくくなっています。現在、私自身仕事はやっていません。高次脳機能障害と構音障害のためです。
今回、障害者年金に申し込んでみようと思っていますが、私の状況で受給できるのか知りたくてメールをしました。私は去年、離婚しました。現在60歳です。市役所の福祉課などでも需給の可否を聞いたのですが、なんとも言えないので、年金機構に問い合わせた方がいいと言われました。

A:

障害年金の受給可否につきましては、申請時に提出する「診断書」と申請者側で作成する「病歴就労状況等申立書」(以下、「申立書」と書きます)の2つの記載内容が判定に大きなウエイトを占めます。
診断書の記載内容により、病状と日常生活への影響を、申立書の記載内容により就労と日常生活への影響を判断し、受給についての可否と
受給が認められる場合の障害等級が判断されます。

特に診断書については医師が記載する客観的な書面として位置づけられていることから、判定にあたっては大きなウエイトを占めるとお考えください。

診断書を拝見していないため、受給可否の可能性については、断定的なことは申し上げられないのですが、ご相談内容に記載された安藤様の現在のお身体の状況、つまり、脳梗塞に伴い右半身不全麻痺、高次脳機能障害、言語障害があり、就労も困難であるとの現状から考えると、お身体の状態や日常生活への影響について正しく反映された診断書、申立書を提出することができれば、いずれかの等級に該当し、障害年金の受給が認められるのではないかという印象を受けます。

一方で、障害年金は「保険」としての側面があることから、保険料の納付について厳しい規定が設けられています。
極端な話をすれば、どんなにお身体の状態が悪かったとしても、保険料の納付条件をクリアできない場合は、その時点で障害年金の受給への道は閉ざされてしまうことになります。

この点に関しましても、ご相談内容から様の職歴等が判明しないことから条件がクリアできているかどうかについては判断がつかないのが現状です。
保険料の条件に関しましては2/12に幕張年金事務所でご相談予約をされていらっしゃるということですので、その際にクリアできているのか否かがはっきりすると思われます。

ご病状のように、脳梗塞に伴う複数の後遺症が残っている場合、どの診断書を提出するか、つまり「肢体の障害」なのか「言語の障害」なのか、「精神の障害」(障害年金の中では高次脳機能障害は精神障害に分類されています)なのか、について考えていく必要があり、それによって障害等級に差が出てくることも考えられますので、申請の中でどの点を訴求していくのかの判断がカギになってくるのではないでしょうか。

障害年金Q&Aの関連記事