糖尿病です。障害年金は申請できますでしょうか?

Q:2013年辺りから仕事が多忙と遠距離通勤で糖尿病を発症しました。インスリンは1年ほど打ってました。その後、投薬治療に変わっています。
仕事自体も集中して長時間就業するのが難しく、休み休みしないとダメな状況が続いているのですが、障害年金は申請できますでしょうか?

A:

糖尿病による障害年金の認定ですが、インスリン投与に伴う血糖のコントロール状態による認定と糖尿病合併症による認定とに分けられることとなります。

日本年金機構が公開している「障害認定基準」にはインスリン治療を行ってもなお、血糖のコントロールが困難なもので、以下に該当するものを3級(=障害年金の等級でもっとも低い(軽い)もの)に認定するとされています。

ア 内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値が 0.3ng/mL 未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
イ 意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
ウ インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による入院が年 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

ちなみに「一般状態区分表のウまたはイ」とは…

歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
または、
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの  例えば、軽い家事、事務など

という日常生活の状態をさします。

したがって、インスリン投与をしていても、上記の状態よりも軽い症状の場合は等級認定が認められないこととなります。

いただいたメールを拝見しますと、現状ではインスリン投与ではなく、投薬による治療を継続されていらっしゃるものとお見受けいたします。
その場合ですと、糖尿病性の合併症、例えば、糖尿病性網膜症による視力障害や糖尿病性腎症による人工透析、糖尿病性神経障害や壊疽などによる肢体の障害などが、視力、内臓疾患、肢体の障害の認定基準に該当すれば障害年金の受給が認められることとなります。

いただいたメールからは、そうした合併症の状態が判明しないですし、認定は上記の条件に限定することなく総合的に判断するとされていますので、断定的なことは申し上げにくいのですが、仮に労働に影響が出ているのみで、合併症は存在するものの、現状では軽症な症状ということになりますと等級認定を得て障害年金を受給することは、なかなかハードルが高いのものと考えられます。

もちろん、詳細な症状などにより認定の可能性がゼロということではないのですが、メールに記載された内容に限って推測すると、年金の申請はできても認定を得ることは難しいものと考えざるを得ないのではないでしょうか。

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